垂直搬送機とテーブルリフトは、いずれも荷物を垂直方向に運搬するための設備です。そのため、いずれを導入しても荷物の垂直搬送は可能です。ただし構造や得意な用途、関連する法規制に違いがあり、同じように導入できるわけではありません。本記事では、両者の違いをさまざまな観点から解説します。導入前に基本的な知識を理解したうえで、自社に適した設備を検討することが大切です。
テーブルリフトは上記のような場面で活用されています。高所での昇降作業やトラックの積み下ろしの際に利用されます。修理工場でも多く導入されており、作業工程が複雑な場面でも、テーブルリフトを活用することで作業をスムーズに進められます。貨物コンテナの積み下ろしでも同様に、作業時間の短縮や効率化に貢献します。
テーブルリフトは、パンタグラフ構造のアームにシリンダーが備わっています。シリンダーの推力を用いてテーブルを上下させるのが特徴です。油圧や電力によって推進力を生み出し、パンタグラフが伸縮することで高さを調整します。任意の高さで停止できるほか、精度の高い位置決めや、台車ごと載せての作業にも対応できます。
それぞれ得意な用途が異なります。
垂直搬送機は倉庫や工場の特定の階層間を、定期的・継続的に荷物を搬送する用途に特化しています。
テーブルリフトはトラックの荷台への積み下ろしのように、その場で高さを柔軟に調整する必要がある作業や、作業台(ワークテーブル)としての役割も担います。
テーブルリフトと垂直搬送機の構造上の大きな違いは、人が荷物と一緒に昇降・作業できるかです。
テーブルリフトは昇降路(シャフト)が必須ではなく、囲いや扉がない機種も多いため、作業員が天板上で作業したり、周囲から荷物の積み下ろしをしたりすることが可能です。
垂直搬送機は機械の周囲が完全に囲われており、搬入口にはシャッターなどが設置されます。作業員が荷物を搬入後、シャッターを閉めてから操作盤で稼働させる仕組みで、昇降中に人が内部に立ち入ることはできません。
この構造により、垂直搬送機は無人での定型的な搬送を安全に行うことに適しています。
両者は法律上の扱いが大きく異なります。
テーブルリフトはその仕様によっては、建築基準法上の「エレベーター」または「簡易リフト」に該当する場合があります。その場合、設置には建築確認申請が必要となり、完成後も定期的な検査が義務付けられます。また、労働安全衛生法に基づく定期自主検査が必要になるケースもあります。
一方、垂直搬送機は「かごの中に人が乗れない」構造のため、建築基準法上の「昇降機」には該当しません。そのため、原則として建築確認申請や定期検査は不要で、比較的容易に設置・運用が可能です。
テーブルリフトは垂直搬送機と似ていますが、構造や法規制には違いがあります。どちらを導入するかは、自社の用途に適しているかを見極めたうえで判断する必要があります。用途に適した垂直搬送機を導入したい場合は、メーカーに相談することで検討を進めやすくなります。導入にあたっての判断材料を得られる可能性があります。
運搬・搬送プロセスを改善するためには、現場のニーズに即した垂直搬送機を選ぶ必要があります。
以下では、現場別におすすめの垂直搬送機メーカーをご紹介します。メーカー選びで迷った際は相談してみましょう。
仕様決定から最短1ヶ月、工事開始から最短3~5日で設置可能。ちょっとした連休の間にも工事ができる!
エスカレーターとコンベヤの長所を組合せた単純連続搬送が可能。スピーディーな搬送が実現!
フォークリフト搬送に対応し、積載荷重4,000kgまで搬送可能!重荷を搬送できる製品をラインナップ。
【選定条件】
Googleで「垂直搬送機」と検索し(2024年2月14日調査時点)、検索結果全ぺージに表示されたメーカーの公式HP40社を調査。
そのうち、以下の条件で3社を選定しています。
・鈴木製機...調査した40社のうち、納期が最も短い垂直搬送機メーカー
・ホクショー...調査した40社のうち、唯一2点間の単純連続搬送が可能な垂直搬送機メーカー
・オムニヨシダ...調査した40社のうち、唯一フォークリフト搬送に対応し、最大積載荷重4,000kgの垂直搬送機メーカー