垂直搬送機は荷物の運搬に便利な設備ですが、正しく使わなければ事故につながる可能性があります。実際に作業員が事故に巻き込まれた事例も報告されています。そこで本記事では、垂直搬送機の実際の事故事例を紹介し、安全性を確保するための防止策について解説します。
垂直搬送機で荷物を1階まで降ろす作業中に、搬送機に異常を示すランプが点灯しました。そこで作業員3人がマニュアルに基づかない自己判断で受台を手動で押して荷物を移動させようとしたところ、受台が落下し、重量300kgの荷物が作業員に倒れてきました。作業員3人が負傷し、1人は足を挟まれ、1人は右肩を打撲し、1人は転倒してけがを負いました。
メンテナンス作業中や異常確認時に、不意に稼働した垂直搬送機に作業員が挟まれて死亡する事故も発生しています。ある事例では、作業員がベルトコンベヤーの異常を確認している間に、下降してきた搬送機とコンベヤーの間に挟まれて死亡しました。これらの事例は、特に非定常作業時の安全対策を怠ると、死亡事故に至る危険性があることを示しています。
まず、安全対策が施されている製品を選ぶことが重要です。たとえば、人が巻き込まれないよう機械全体が覆いや囲いでガードされている製品であれば、事故防止につながります。扉が開いていると動作しないインターロック機能や、危険エリアに従業員が近づくと人を感知して運転を停止するセンサーなどを備えた製品を選ぶことで、事故の発生リスクを大幅に低減できます。
垂直搬送機を設置する際には、十分なスペースを確保することが求められます。搬出入や荷役を行うためのスペースが必要であり、特に狭い作業場では注意が必要です。垂直搬送機周辺に避難経路を確保できない場合もあるため、導入時には十分なスペースが確保されているかを確認する必要があります。
垂直搬送機の正しい使用方法や作業手順をまとめたマニュアルを整備し、従業員全員に周知徹底することも有効な対策です。特に、1つ目の事故事例のように自己判断が重大な事故につながることを防ぐため、異常発生時の対応手順(「異常ランプが点灯したら、まず管理者に報告する」など)を明確に定めておくことが極めて重要です。知識を共有するだけでなく、実際の運用を想定した現場訓練を実施しておくことが望まれます。
垂直搬送機は建築基準法による法定点検の対象ではないため、定期的なメンテナンスが軽視される場合もあります。しかし設備の安全性を維持するためには、点検やメンテナンスが欠かせません。
また、2つ目の事故事例のように、メンテナンス作業そのものにも危険が伴います。作業中の不意な稼働による事故を防ぐため、メンテナンス時は必ず電源を遮断し、「点検中・操作禁止」の札を掲示する(ロックアウト・タグアウト)といった安全措置を徹底する必要があります。
垂直搬送機で起きた事故は少なくないため、導入の際には事故防止策を検討する必要があります。マニュアルの整備や定期的なメンテナンス、設置時のスペース確保に加え、安全対策が施された製品を選ぶことも重要です。どの製品を導入すべきか迷った場合は、メーカーに相談することで自社の環境に適した製品を選ぶための判断材料を得られます。
運搬・搬送プロセスを改善するためには、現場のニーズに即した垂直搬送機を選ぶ必要があります。
以下では、現場別におすすめの垂直搬送機メーカーをご紹介します。メーカー選びで迷った際は相談してみましょう。
仕様決定から最短1ヶ月、工事開始から最短3~5日で設置可能。ちょっとした連休の間にも工事ができる!
エスカレーターとコンベヤの長所を組合せた単純連続搬送が可能。スピーディーな搬送が実現!
フォークリフト搬送に対応し、積載荷重4,000kgまで搬送可能!重荷を搬送できる製品をラインナップ。
【選定条件】
Googleで「垂直搬送機」と検索し(2024年2月14日調査時点)、検索結果全ぺージに表示されたメーカーの公式HP40社を調査。
そのうち、以下の条件で3社を選定しています。
・鈴木製機...調査した40社のうち、納期が最も短い垂直搬送機メーカー
・ホクショー...調査した40社のうち、唯一2点間の単純連続搬送が可能な垂直搬送機メーカー
・オムニヨシダ...調査した40社のうち、唯一フォークリフト搬送に対応し、最大積載荷重4,000kgの垂直搬送機メーカー